Bluetoothの「LE Audio」と「LC3」「LC3plus」について分かりやすく解説
なんとなく耳にする機会が増えてきた「LE Audio」や「LC3」について、分かりやすく解説します。
LE AudioとLC3
「LE Audio」とは、Bluetoothで音声や音楽をやり取りするための仕組み(Classic Audio)を再定義する新しい規格のことです。
「LC3」とは、LE Audioで採用された音声・音楽を圧縮して伝送するための技術(音声コーデック)のことです。
LE Audioの登場によって、従来の仕組みは「Classic Audio」と呼ばれるようになりましたが、Classic Audioで採用されている音声コーデックには「SBC」「AAC」「LDAC」「apt X」などがありますが、LC3はClassic Audioで標準となっているSBCに比べて高音質かつ低遅延であることが特徴とされています。
LE Audioでできること
LE Audioでは、LC3という新しい音声コーデックが使われるだけでなく、「マルチストリーム」や「ブロードキャスト」といった、従来のClassic Audioではできなかったことができるようになります。
マルチストリーム
マルチストリームとは、例えばワイヤレスイヤフォンの右側と左側に対し、それぞれ独立した伝送を行う仕組みのことです。従来のワイヤレスイヤフォンでも各社の独自技術によって実現されていたので、この仕組み自体は新しいものではありませんが、LE Audioで標準規格化されました。
ブロードキャスト
マルチストリームとは、1つの送信機側から複数の受信機へ同時に伝送を行う仕組みのことです。例えば1つの音楽プレイヤーの音楽を、複数の人がそれぞれのワイヤレスイヤフォンで同時に聞くといったことが可能になります。
LC3は高音質・低遅延・省電力・接続安定
LE Audioで採用されるLC3では従来(SBCコーデック)の半分程度のビットレートでも高音質を実現できるとされています。より少ない伝送データ量で高音質を維持できることから、音楽を高音質で楽しみつつ、バッテリーの消費量が抑えられたり、音が途切れにくくなるといった効果も期待できます。
またSBCと比べて低遅延なので動画やゲームプレイなどにおいて画面と音のズレによる違和感が少なくなります。
LC3plusはハイレゾ対応
LC3をさらに拡張させたLC3plusではハイレゾ音質の伝送に対応しており、LDACより安定して高音質な音楽が楽しめるとのこと。さらにLDACにはない低遅延という特徴も併せ持っています。