LDACとaptXの2020年最新事情

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当サイトで2017年に「LDAC vs aptX HD」をテーマに取り上げてから3年、最新事情をまとめてみました。

「LDAC」「aptX HD」って何?

どちらも、ワイヤレスイヤフォン・ヘッドフォンに音楽を飛ばす仕組み(Bluetoothオーディオコーデック)のことで、それぞれに特徴があります。「ハイレゾ」と呼ばれる、CDよりも高音質な音楽をワイヤレスイヤフォン・ヘッドフォンに飛ばすための方式として、「LDAC」「aptX HD」は多くの機器で採用されています。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

aptX Adaptiveの登場

近年、aptXを開発するQualcomm社から「aptX Adaptive」という新しいコーデックが出てきました。「aptX Adaptive」はapt Xシリーズの長所である低遅延を実現しながらも、電波やデータの状況に応じてビットレートを変えながら伝送できるため、常に安定かつ高音質な伝送が期待できる点が特徴です。当初は24bit/48kHz、ビットレートは280kbpsから420kbpsの間で可変と、aptX HDより情報量はやや劣る水準でしたが、最新では24bit/96kHz、260kbpsから640kbpsとより多くの情報を伝送できるように改良されています。

SamsungやHuaweiから独自コーデックも登場

Samsungからは「Scalable Codec」、Huaweiは「LHDC」というコーデックをベースとした「HWA」という独自コーデックを開発し、それぞれ自社製のスマートフォンとワイヤレスイヤフォンの間で高音質伝送に採用されています。今やスマートフォンの多くに採用されている「LDAC」も、元々はソニーが開発したコーデックが広まったものなので、これらも数年後には多くの機器で採用される可能性があります。

対応状況

NTT DoCoMoの2020年春夏モデルの5Gスマートフォンで、コーデックの対応状況を調べてみました。

 SBCAACLDACapt Xapt X
HD
aptX
Adaptive
Samsung
Scalable
Codec
HWA
(LHDC)
Galaxy S20 5G
Galaxy S20+ 5G
AQUOS R5G
Xperia 1 II
LG V60 ThinQ
arrows 5G

LDACはすべてのスマートフォンが対応、aptX HDはGalaxyでは非対応、apt X AdaptiveはGalaxyとarrowsで非対応のようです。また、これらのコーデックで伝送するためにはイヤフォン側も同じコーデックに対応している必要があります。